◇こもり熱防止効果の長所と短所
一方、PTC省電力率を最大に設定する機種では、他の長所として『こもり熱』防止機能を有していると付加価値表示されたりします。
このこもり熱とは、床暖房を設置した部分に座布団などがあると、その下に熱がこもりやがて異常な高温になる場合があることを指します。ここでPTC省電力率を最大に設定していれば、そうした場合でもその高温化を素早く察知し、電流を遮断しそれを食い止めます。
半面、その場合課題もあります。電流遮断をした分だけ、総発熱量が落ちるため、部屋の温度が下がるということです。
◇従来製品の課題
この他、既存のPTC省電力率を最大にした製品で床暖房施工した場合の課題は、突入電力 (電源を入れた直後から定格を大きく超えた大電流が流れる現象)を生じる難点です。 これは、コントローラーやブレーカーへの大きな負荷となるため、回路の定格容量を抑える (フィルム敷設量を縮小する)か、または、専用コントローラーで各回路交互運転や抑制運転をする必要があり、 設定温度に達するにも多くの時間がかかってしまいます。
このように、省エネへのこだわりから、単純にPTC省電力率をあげれば良いというものではなく、その善し悪しを十分考慮した上で判断しなければなりません。